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2007年06月24日

紫陽花の咲く頃

紫陽花


6月も後一週間になり、そこここに咲いた紫陽花の花が雨に濡れています。


寝る前のベッドの中や外出の時の電車の中で読む本、少し前まで面白いと思える本が途切れていてなんとなく惰性で読んでいた感じ。
でも、ここ何冊か軽く読める面白いサスペンスに出会ったので、ちょっとご紹介。

False Impression
** ジェフリー・アーチャー著 "ゴッホは欺く" **

明らかに"ダ・ヴィンチ・コード"を意識した邦題になっていますが、元の題は"False Impression"・・・このタイトル、謎解きのちょっとしたヒントになっています。

ジェフリー・アーチャーは、インタビューでの彼の日本人に対するある発言を聞いて以来読むのを止めていたので、暫くぶりでしたが、この本の中では日本人のコレクターが好意的に書かれていて、アーチャー自身も日本贔屓の印象が残ります。
ストーリーの出来は、平均点+αくらいですが、テンポがよく、最初からどんどん読み進んでしまいました。



The Broker
** ジョン・グリシャム著 "大統領特赦" **

グリシャムも以前はよく読みましたが、少しマンネリ化し暫く敬遠していた作家です。


途中までのストーリー展開、理由付け、CIAの行動など、難点も数々あり、イタリアのボローニャの観光案内書という書評もありますが、エンターテイメントとして楽しめます。



The Secret
** シンシア・ビクター著 "ダブル・シークレット" **

シンシア・カーツとビクトリア・スカーニックがシンシア・ビクターというペンネームで1997年に発表したロマンティック・サスペンス。

平凡と思われる女性も、何かのきっかけで素敵に開花するかも知れない。窮地に立たされたミランダが魅力的な女性に変身する様子は、女性の一つの夢です。一気に読み終わってしまいました。



The man without a past そしてついでに、先日見たDVD。
** "過去のない男" **

監督アキ・カウリスマキ。2002年フィンランド作品。
カンヌ映画祭グランプリ&主演女優賞受賞作。


表情の少ない登場人物、控えめな台詞、とてもマイナーっぽく垢抜けない映画なのに、どこか懐かしく温かい。
食堂車に流れる日本の曲やお寿司、ハンニバルという名のおとなしいワンチャンなど、クスっと笑える独特のユーモアが感じられます。

jugon1911 at 16:49|この記事のURLComments(6)

2006年05月30日

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

Olive
オリーヴの蕾が開き、小さなお花がたくさん咲き始め、風が吹くたびに黄色い花粉が舞い散ります。

今はハンガリーに暮らす友人がクロアチアへ旅をし、いまだに壁に銃弾の後が残る家々を見て、旧ユーゴ紛争について興味を持ちました。そして、私に話しをしてくれた中でとっかかりとして読むのに読みやすい本だよと紹介してくれたのが、米原万里さんの"嘘つきアーニャの真っ赤な真実"でした。

多様な民族、ナショナリズム、紛争に彩られた激動の東欧史を子供時代、当時のチェコスロバキアに暮らした彼女が個人の視点で描いた一冊です。

私はこの本を皮切りに暫くは "不実な美女か貞淑な醜女か" "ガセネッタ&シモネッタ" "魔女の1ダース" "旅行者の朝食" と彼女のユーモア溢れるエッセイの数々にどっぷりとはまったものです。
日本語が獲得言語であるという彼女の体験、周囲。そしてロシア語同時通訳者としての様々な経験を、毒舌や駄洒落を交え、時に下ネタあり、時に真摯に、彼女の思いを綴った珠玉のエッセイ揃いでした。

日本人である彼女の確かなロシア語が、あのすばらしい文才が、そして何よりちょっと猫背っぽく座って考えながら話すあの姿が、彼女と共に消えてしまったことが悲しい。

紫陽花

jugon1911 at 15:44|この記事のURLComments(3)